LPガスについて

LPガスとは

LPガスとは英語の「Liquefied(液化) Petroleum(石油) Gus(ガス)の略称です。
一般に供給されるLPガスの主成分はプロパンです。 そのためプロパンガスと呼ばれることもあります。本来LPガスには臭いはありませんが、ガス漏れの場合などにすぐに気が付くように特有の臭いを付けています。

一般に容器に充填したLPガスをお客様宅や容器置場(ガスボンベ庫)まで配送し、配管を通じてお客様へ提供しています。

LPガスの供給(販売)について

LPガスの供給(販売)には、「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」に係わるものと、「ガス事業法(ガス小売事業)」に係わるものがあります。
2つの法律の違いについて簡単にご説明します。

液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律

69戸以下の消費先へLPガスを供給する場合に該当し、小規模団地および一般のアパート・マンション・戸建て住宅などにLPガスを供給する場合に適用される法律です。

都道府県知事(又は経済産業大臣)に届け出た液化石油ガス販売事業者がガスの供給を行います。一般に「液石法」と呼ばれています。

ガス事業法(ガス小売事業)

70戸以上の比較的規模の大きい団地やマンションなどの消費先へLPガスを供給する場合に適用される法律です。

簡易なガス発生設備でガスを発生させ、LPガスを導管で供給する導管供給方式のことを指します。
ガス小売事業(旧簡易ガス事業)はガス事業法に基づいた公益事業とされており、「コミュニティーガス」とも呼ばれています。

LPガスと都市ガスの違い

LPガスはプロパンを主成分とし、一方の都市ガスはメタンを主成分としています。
この2つのガスは性質が違うため、使用するガス機器がそれぞれ「LPガス用」と「都市ガス用」とに分かれています。

性質の違いとして、LPガスは空気より重いため地面や床などに溜まりやすく、都市ガスは空気より軽いため天井に溜まりやすいという特徴があります。 また、LPガスと都市ガスはご使用になるガスの発熱量も違い、LPガスの方が都市ガスに比べ約2.2倍大きいです。

このように、ガスの性質が違うため、LPガスと都市ガスのガス機器には互換性がありません、コンロ、湯沸器などのガス機器を新しくお買い求めの場合やお引越しの場合は、ご使用になるお住まいのガスの種類に適合したガス機器であることをお確かめの上、ご使用ください。

もし、ガスの種類が適合しないガス機器をご使用の場合、着火不良や不完全燃焼などの異常が発生し、非常に危険です。 また、コンロ等に接続するためのゴムホースは、LPガス用はオレンジ色、都市ガス用はベージュ色となっており、それぞれのガスの性質に応じて、異なる素材が使われています。

ガス種をご確認の上、適切なガス機器のご使用、接続をお願いいたします。

災害に強い

LPガスは災害に最も強いエネルギーといわれています。

平成30年7月に日本政府が閣議決定した「第5次エネルギー基本計画」の中では、LPガスを「緊急時にも貢献できる分散型のクリーンなガス体のエネルギー源」と位置づけ、「災害時にはエネルギー供給の【最後の砦】となる」としています。

なぜLPガスが【最後の砦】といわれるほど災害に強いかというと、それは「供給が途絶しない」という点にあります。消費先ごとに個別に供給可能な「分散型エネルギー」であるLPガスは、災害発生時に供給が遮断された場合も、個別に調査・点検を行うことにより、電気や都市ガスと比較して早く復旧させることができます。

また、地震災害等による家屋の倒壊の際、被災者の方の避難所、仮設住宅での生活にLPガスは迅速に対応することが可能であり、煮炊きや給湯に加え、暖房、発電などを行うためのエネルギー源として、被災者の方の生活を支援することができます。これも「分散型エネルギー」であるLPガスの大きな強みの一つです。

当組合は、北九州市と「災害時におけるLPガス等の供給に関する協定」を締結しており、災害時において避難所等でLPガスを必要とするときは、優先的な供給について協力する体制が整備されています。

安全

LPガス業界ではさまざまな安全装置の開発が行われており、既に多くのガス機器が家庭用及び業務用として実用化され、LPガスの安全・保安対策に大きく貢献しています。
しかし、古いガス機器には安全装置が付いていないものもあり、保安上、安全装置が付いていないガス機器をご使用のお客様には、安全装置が付いたガス機器への更新をお勧めしております。

安全装置付きガス機器について

  • ガスコンロ(Siセンサー付き)

    火口に安全センサー(立消え安全装置・調理油過熱防止装置・消し忘れ消火機能)を搭載したガスコンロです。

    • 立消え安全装置は、煮こぼれや吹きこぼれ、強風などで火が消えた時、自動的にガスを遮断します。
    • 調理油過熱防止装置は、センサーが鍋底の温度を感知し、約250℃になると自動的に消化して油の発火を防ぎます。
    • 消し忘れ消火機能は、消し忘れても、点火後一定時間が経過した時点で自動消火します。

  • ガス瞬間湯沸器(不完全燃焼防止装置付き)

    不完全燃焼が発生した場合、自動的に消火してCO(一酸化炭素)中毒事故を未然に防ぎます。

    ※不完全燃焼防止装置の付いていない小型湯沸器は、不完全燃焼によるCO(一酸化炭素)中毒事故が発生する可能性がありますので早めに交換してください。

※上記の他にもさまざまな安全装置が搭載されています。

ガス設備について

安全にご利用いただく為の機能が搭載されており、お客様を見守ります。

  • マイコンメーター
    (ガスメーター)

    ガス漏れなどガスの流れや圧力に異常があった場合、マイコンメーターが自動的にガスを遮断します。
    ガスを使用中に地震(震度5相当以上)があった場合には、ガスを遮断する保安機能が搭載されています。(ガスを使用中でなくとも、地震を感知した前後の一定時間内においてガスの流れがあった場合、自動的にガスを遮断します。)

  • ガス洩れ警報器

    ガス漏れをすばやく感知し、ブザー等の警報音でお知らせします。
    また、ガスメーターと連動させることで、ガス漏れを感知した場合にガスメーターでガスを遮断することもできます。

  • ヒューズガス栓

    ゴム管がはずれるなどしてガスが大量に流れたとき、ヒューズにより自動的にガス栓でガスを止め、ガス漏れを防ぎます。

地球に優しい

化石エネルギーの中でもLPガスは燃やしても酸性雨の原因となるSOX(硫黄酸化物)の排出がほとんどなく、地球温暖化の原因といわれているCO2(二酸化炭素)の排出も相対的に少ないため、優れたクリーンエネルギーとして位置付けられています。