災害対応型LPガスバルク供給システムの取組み

災害対応型LPガスバルク供給システム

災害対応型LPガスバルク供給システムとは、地震・津波・水害など大規模災害により電気や都市ガス等のライフラインが寸断された状況においても、LPガスによるエネルギー供給を安全かつ迅速に行うことを目的として開発されたシステムです。

平時は施設の給湯や調理、空調機器の燃料用などに使用され、災害時には災害支援活動を行うためのエネルギーとして使用します。
分散型エネルギーの特徴としてLPガスバルク貯槽には普段からLPガスを備蓄して使用しているため、常に一定以上のエネルギーが確保されています。このシステムを地域防災拠点の近隣にある学校や市民センターなどの避難所などに設置することで、災害発生直後から迅速な災害支援活動が可能となります。

  • 災害対応型LPガスバルク供給システムの外観

  • バルク貯槽と災害時ガス供給ユニット

LPガスでできる災害支援活動

災害時には備蓄されているLPガスを使って、給湯や調理(炊き出し)のほか、LPガス発電機を使用することで電力をつくることができます。電力がつくられることで携帯電話の充電・パソコンの使用・夜間照明などを行うことが可能となります。

現在、北九州市内に設置されている災害対応型LPガスバルク供給システム(500kg)が最低貯蔵量時で被災した場合でも、鋳物コンロ1台で約200時間(5台同時使用で約40時間)、発電機(1.5kVA・1500W相当)1台で約300時間(3台同時使用時で約100時間)の連続運転が可能なエネルギー量を常時備蓄していることになります。
このように、LPガスは給湯や調理などの熱供給だけではなく、発電機を使用することでガスから電力にエネルギーの性質を容易に変えることができることもLPガスの大きな特徴です。

【災害対応型LPガスバルク供給システムを使用した防災訓練の様子】

災害時に役立つLPガス機器

  • 鋳物コンロ

  • デリバリーステーション(炊き出し用)

  • LPガス発電機

設置されている災害時ガス供給ユニットとガス機器の接続はゴムホースやワンタッチ(迅速継手)となっており、初めての人でも簡単で安全に接続することができます。また、接続にあたり特別な資格などは必要ありません。

  • 災害時ガス供給ユニット 接続前

  • ゴムホースでの接続

  • 差し込んでバンドをすれば完了

  • 災害時ガス供給ユニット 接続後

  • ワンタッチ(迅速継手)での接続

  • 差し込んでカチッと音がすれば完了

北九州市内の設置場所

現在設置されている災害対応型LPガスバルク供給システムは下記の通りです。

学校

  • 萩ケ丘小学校(門司区)
  • 西小倉小学校(小倉北区)
  • 横代小学校(小倉南区)
  • 若松中央小学校(若松区)
  • ひびきが丘小学校(八幡東区)
  • 青山小学校(八幡西区)
  • 一枝小学校(戸畑区)

市民センター

  • 三郎丸市民センター(小倉北区)
  • 城野市民センター(小倉南区)
  • 中原市民センター(戸畑区)

消防分署

  • 金剛分署(八幡西区)
  • 石峯分署(若松区)

※上記、消防分署にはLPガスバルクを設置し、停電時にはLPガスバルクからガスを供給するLPガス仕様の非常用発電機が設置されました。